映画『あえかなる部屋 内藤礼と、光たち』公式サイト
生きていることは、それ自体、祝福であるのか―
存在の神秘を問うアーティスト・内藤礼と、その世界に誘われる者たちの物語が交差する
世界が存在することの奇跡に触れるドキュメンタリー 映画『あえかなる部屋 内藤礼と、光たち』公式サイト
これまで決して作る姿を見せてこなかった
内藤への取材依頼。しかし――――

 体験した者に静かな驚きと歓びをもたらす作品を発表してきた美術家・内藤礼。代表作である豊島美術館《母型》は、そこにいるひと全ての存在を受け入れる、大きな生命体のような空間である。
《母型》に出会い、その場の持つ力に強く惹かれた監督・中村佑子は、内藤に取材を依頼し、2年にわたって撮影を続けた。しかし、「撮られると、つくることが失われてしまう」取材の半ば、内藤は撮影を拒否する。一度は撮ることを諦めかけた監督だった。

内藤の拒否によって映画は新たな次元へ。
「私」が《母型》の中で共鳴していく

 しかし、時をおいて、中村は内藤のアートの本質である「生きていることは、それ自体、祝福であるのか」という問いに、内藤にはキャメラを向けずに迫ることを決意する。そして内藤の「不在」を埋めるかのように、5人の女性たちと出会う。
 《母型》に集まり、そこで交わされる女性たちの傷みの感覚や、生と死に対する言葉。《母型》を撮らねばならなかった監督自身の内的必然性と、女性たちの感受性はやがて呼応し、祈りのような大きな〈存在の問い〉へ、解き放たれていく。
『はじまりの記憶杉本博司』の中村佑子監督の新たなアプローチに、谷口蘭(出演)、佐々木靖之(撮影)、タラ・ジェイン・オニール(音楽)、シアター・プロダクツ(衣装)、有山達也(宣伝美術)等、様々な分野で活躍する才能が集結。 映画『あえかなる部屋 内藤礼と、光たち』公式サイト

監督は、前作『はじまりの記憶杉本博司』で劇場デビューした中村佑子。WOWOW放送のテレビ番組として制作した前作は、国際エミ ー賞アート部門ノミネートを果たし、その後の劇場公開でも話題を呼んだ。建築・アートの分野で、多くのテレビ番組を手がけてきた中 村監督だが、本作ではまた新たなアプローチで挑んだ。
「女性たち」の物語の基点となり、静謐ながら強靭な存在感を放つのは、モデル、女優として活躍中の谷口蘭。撮影は濱口竜介監督、瀬 田なつき監督作をはじめ、映画、CMで活躍する佐々木靖之。対象との独特な距離感のあるカメラワークが、本作の世界観を支えている。 衣装協力はシアター・プロダクツ。物語性のある衣装が、映画のトーンと共鳴し合う。宣伝美術は、雑誌「Ku:nel」のアートデザイン、「横浜トリエンナーレ」のポスタービジュアル等、デザインの第一線で活躍中の有山達也が務めている。